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パーマ大好き美容師が今一番旬な”低温デジタルパーマ”を解説!

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乾かしてオイルだけで柔らかい動き!ムースやワックスは使っていません!

こんにちはー! パーマ美容師のタケナガリキです。

takenagariki.hatenablog.jp

最近増えて来ている低温デジタルパーマ。もちろん僕も大好きです。 でも、パーマってたくさん種類があるし、違いもよく分からないってよく言われるんです。 そんな方の為に、パーマってなんだ?ってところやパーマの種類の違い。今僕が激推し中の低温デジタルパーマについて解説していきたいと思います!

パーマってそもそもなんでかかるの?

髪の毛には色々な結合がある

髪の毛って色々な種類の結合が組み合わさって結果的に糸状の形を成しているんですが、一番皆さんの生活に身近なのが”水素結合”です。

皆さんが嫌いな寝癖。

実はこの水素結合が原因で起こっているんです。

水素結合は髪が濡れている状態で結合が切れ、乾くと再結合します。 就寝時に少し髪が湿っていたり、寝ている時にかく汗の水分で水素結合が切断。寝返りを打った時などに髪が曲って、その状態のまま乾燥して再結合する事で寝癖という跡になって残っているんです。

パーマの場合、色々な結合の中でも”シスチン結合”をメインに一度切断して、曲げた後に再結合する事でパーマという跡をしている状態になります。

パーマはなぜ形状記憶するのか

ではなぜパーマは寝癖と違ってしばらく形状を記憶しているんでしょうか。 それはパーマの薬に配合されている”還元剤”の作用で結合を切断し、”酸化剤”の作用で再結合させているからなんですが、普段の生活において、還元剤や酸化剤に相当するものが髪に付着する機会はほとんどありません。

寝癖を想像してもらうと分かりやすいと思います。先ほど説明した様に水素結合の切断と再結合によって作られます。簡単にいうと、一度跡がついてしまったら、水で濡らすまで基本的に取ることはできないんです。

なのでパーマの場合次に”還元剤”をかけるまでパーマが落ちることは基本的に無いんですね。

なぜパーマは無くなってしまうのか

はい。じゃあなんでパーマ落ちちゃうのよーーー。もっと持ってくれても良いのに…って思った方いませんでした?

原因は色々あるんですが、何度も登場してくる”水素結合”が大きい割合を占めています。 パーマをかけたことがある方は何となく分かると思いますが、パーマって乾かし方によって結構変わりませんか?? 毎回完全にパーマの波状をを出した状態で乾かせていれば、パーマはかなり持ってくれるんですが、基本的に乾かして少しパーマが伸びた状態でスタイリングを終了することが多いと思います。 そうすると、水素結合で本来より真っ直ぐな状態に矯正された状況が続くことになるので毛髪内部のシスチン結合がすぐに切断されるわけでは無いですが、どうしても徐々に緩んできてしまいます。

加えてパーマは毛髪内の”シスチン結合”のうち約3%程度に作用させてかけるのが良いとされていて、パーマがかかっていない結合はパーマが。無い状態の結合を維持しているので、やはりそちらに引っ張られて徐々にパーマは落ちていってしまいます。

パーマは落ちてしまうもの

僕は、例えパーマスタイルであっても基本的には普段通りのドライを推奨しています。 終始握りながら乾かしたり、手のテクニックが必要な乾かし方は結局スキル頼りになってしまうので再現性が高く無いと考えているのと、ある程度普段通りにドライした方が、髪のツヤも出て、パーマも程良くずれてナチュラルな動きに変わるからです。 ある程度落ちることも計算にいれて、その分ダメージレスで柔らかく、扱いやすいパーマを定期的にかけていく。 これが髪のダメージやライフスタイル、今後のスタイルチェンジなども踏まえて考えた時にベストな選択だと思っています。 ただし、2〜3週間、1ヶ月程度で落ちてしまった場合は、持ちが悪すぎるかなと思うので相談してくださいね!

パーマの種類

パーマには沢山種類がありますが、大きく分けるとゴールドパーマとホットパーマに分かれます。ゴールドパーマがいわゆる普通のパーマ。ホットパーマがデジタルパーマです。 名前にある通り、熱を使うか使わないかが両者の大きな違いになります。

デジタルパーマはタンパク質の熱変性を利用している!

普通のパーマの場合、先ほど説明したように”シスチン結合”の切断と再結合によってパーマをかけていますが、デジタルパーマの場合はそれ以外に”タンパク質の熱変性”を利用してパーマをかけていきます。

卵を想像してもらうとわかりやすいんですが、星型や丸型の型に入れて加熱するとその型の通りの形の卵焼きが出来上がりますよね? これは熱によってタンパク質が凝固して水分が出た状態なんですが、それと同じようなことを髪の毛にしていきます。

結果、薬の力+熱の力を使ってよりしっかりとパーマがかかるという仕組みになっています。

普通のパーマに比べてカールがしっかりと乾いても伸びづらく、コテで巻いたような質感になるのでスタイリングも楽でツヤも出しやすく持ちも良い、すごく良いパーマですが、やはり内部ダメージがその分大きくなってしまうので繰り返しかけることが難しくなってきます。

比較

・コールドパーマ       濡れている時にしっかりカール  乾くと伸びやすい 柔らかい質感 持ちは2ヶ月位  繰り返しかけられる

デジタルパーマ       濡れている時と乾いている時のカールの差が少ない 乾くとよりしっかりカール 硬い質感 持ちは4ヶ月位  繰り返しかけづらい

どちらにも長所、短所があって、どちらが絶対良いというものではありませんが、作るスタイルやお客さんのライフスタイルによって向き不向きが明確に出てくるのでここのチョイスはかなり大切になってきます。

いよいよ本題!低温デジタルパーマとは!?

デジタルパーマと何が違う?

低温デジタルパーマは名前の通り低温でかけるデジタルパーマです。 先ほどパーマの違いで触れた”タンパク質の熱変性”を起こさない程度の低温で加温してかけていくパーマです。 熱の力に頼り過ぎない分薬剤のチョイスがシビアになりますが、熱変性を起こさないので仕上がりの質感が柔らかく、繰り返し施術も可能になります。 加えてコールドパーマと比べても、熱を使っている分パーマの持ちも上って、なおかつ薬剤が毛髪についている時間が圧倒的に短縮できるのでコールドパーマに比べてもダメージを抑えることができます。

再度比較!

・コールドパーマ       濡れている時にしっかりカール  乾くと伸びやすい 柔らかい質感 持ちは2ヶ月位  繰り返しかけられる

デジタルパーマ       濡れている時と乾いている時のカールの差が少ない 乾くとよりしっかりカール 硬い質感 持ちは4ヶ月位  繰り返しかけづらい

・低温デジタルパーマ      濡れている時と乾いている時のカールの差が少ない 乾くとやや伸びる 柔らかい質感 持ちは3ヶ月位  繰り返しかけられる

こう比べるとめちゃめちゃ良くないですか?? 濡れている時と乾いている時のカールの差が少ないので、適当に乾かしてもカールがちゃんと出てくれます。ムースもワックスも基本いらない。 クリームやオイルで仕上げるだけで、手ぐしの通るサラサラ柔らかい仕上がりになります。

まとめ

どうでしたか? 少し専門的な話になってしまったかなと思ったんですが、少しパーマのことが皆さんにもわかってもらえたら嬉しく思います! その上で今僕が激推し中の低温デジタルパーマの良さがなんとなくでも伝わったかなと思います。

普段僕は施術をするときに、ブローもアイロンもしなくていいスタイルを目指しています。

なのでパーマをオススメする機会が多いのですが、パーマって結構ムースで仕上げるイメージってあるじゃないですか?? 柔らかい質感やふわとした動きが出したくてパーマかけるのに、ムースやワックスで仕上げて見た目はふわっとしてるけど手ぐしが通らなかったり触ると固かったりするとちょっとテンション下がりません? ミディアム〜ロングになってくると特に手ぐし通したりしたくないですか?

そんな僕の理想のスタイルに今一番適している低温デジタルパーマ。 興味がある方は相談してもらえると嬉しいです!!

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